奇祭と呼ばれるBurning Manで参加者数万人が豪雨で会場に取り残されてしまう

海外フェス

こんにちは、あきおです

みなさんはBurning Man(バーニングマン)というフェスティバルをご存知でしょうか?

ご存知の方はかなりのフェス好きですね。

個人的にはフェスの究極型と思っています。

まずはBurning Manについて紹介したいと思います。

1. イベントの開催地と期間
Burning Manは、アメリカ北西部の人里離れたブラックロック砂漠で毎年一週間にわたって開催されます。通常、8月の最終月曜日から9月の第一月曜日までが会期で、最終日には伝統的なザ・マン(木でできたモニュメント)を焼却(burn)がフェスのクライマックスとなっています。

2. ブラックロック・シティの創造
参加者はこの乾燥した平原にブラックロック・シティを築き上げ、そこで自己表現とコミュニティ精神を追求します。この都市は直径約3.4kmの大きな扇型の市街地と、中心部のオープンスペース、周辺部から構成されており、約7万人の参加者が生活します。

3. 自給自足の生活
Burning Manの参加者は、イベント期間中に必要なものを自分で用意する必要があります。電気、水道、食品の売店などの生活基盤は提供されず(トイレと水の提供のみです)、金銭経済は忌避され基本的には物々交換で欲しいものを入手します。またBurning Manには10個の原則があり、Burning Manの共同体における行動規範として機能し、参加者が互いにリスペクトし合い、環境に配慮しながら、自己表現と共同体の構築を楽しむための基盤となっています。

4. アートと自己表現
Burning Manは、アートと自己表現の祭典でもあります。参加者は独自のアート作品を制作し、巨大なアート・インスタレーションを設置します。夜には光り輝くアートが砂漠を彩ります。

5. コミュニティと共同生活
参加者は隣人と協力し、共同生活を営みます。問題解決や交流が活発に行われ、Burning Manの精神が共同体を形成します。

6. Burning Manの名前の由来
Burning Manという名称は、上記での最終日に中心に立つ「ザ・マン」を焼却する伝統に由来しています。この焼却儀式は、自己表現、創造性、破壊と再生、そして新たな始まりへの象徴的な行為として捉えられており、Burning Manの文化と精神的な要素の一部となっており、Burning Manという名称は、この特別な儀式に由来しています。

7. 結びつける体験
Burning Manは、自己探求、創造性、共同体精神を高める場所であり、参加者には一生の思い出と新たな出会いがあり、独自の価値観とコミュニティを持つイベントであり、参加者が自己表現と共同体の一部として存分に楽しむ場所となっています。

8. 共同体の精神と文化を反映した10の原則
Burning Manの10の原則は、Burning Man共同体の精神と文化を反映するもので、2004年に共同創設者であるラリー・ハーヴェイによって策定されています。

Radical Inclusion(徹底的な包摂):誰もがBurning Manの一部であり、参加には条件はない。見知らぬ人を歓迎し、尊重する。

Gifting(贈り物):Burning Manは贈り物の行為に捧げられており、贈り物の価値は無条件であり、返礼や等価物の交換を前提としない。

Decommodification(商業排除):商業的なスポンサーシップ、取引、広告などを排除し、文化を商業から守る。

Radical Self-reliance(徹底的な自己頼り):個々の内的な資源を発見し、活用し、頼ることを奨励。

Radical Self-expression(徹底的な自己表現):個々の独自のギフトから生まれる自己表現は、他者や協力グループ以外の人がその内容を決定し、贈り物として提供される。

Communal Effort(共同努力):創造的な協力と協力を尊重し、社会的ネットワーク、公共スペース、芸術作品、コミュニケーション手法の促進と保護に努める。

Civic Responsibility(市民的責任):文民社会を尊重し、イベントを主催するコミュニティメンバーは公共の福祉に責任を持ち、法律に従ってイベントを運営する。

Leaving No Trace(無痕の残留):環境を尊重し、活動の跡を残さないことを約束し、できる限り場所をより良い状態で後に残す。

Participation(参加):深く個人的な参加を通じて、個人や社会の変革が可能であると信じ、行動を通じて世界を実現する。

Immediacy(直感):直接的な経験が文化の中で最も重要であり、内なる自己、周りの現実、社会への参加、人間の力を超えた自然との接触に向かう障壁を取り除くことを目指す。

これらの原則は、Burning Man共同体の行動規範として機能し、深いリスペクト、環境への配慮、自己表現、協力などがフェスの文化の一部として根付いています。

少し長くなりましたが、Burning Manについて紹介しました。

フェス参加者のお互いのリスペクトによって成り立っているフェスなのですが、上記で想像してもらえるかと思いますが、過酷なフェスであることは間違い無いです。今回そこに稀に見る豪雨が発生。期間中、平年の2~3カ月分に相当する雨が降り、砂漠は泥沼と化しました。乾燥した砂漠では少量の雨でも洪水になりやすく、参加者たちは足を取られる泥の中で足止めされました。テント内にも泥が入り込む有様で、会場内外の道路は緊急車両以外の通行ができない状況でした。さらに、フェスも自給自足なのでの食糧、飲料水、避難場所の提供などはもちろんありません。そのため、「食料、水、燃料等を保存して、ブラックロックシティ(会場)内の安全な場所へ移動するように」という勧告がまでも出されました。また、誤った情報も広まりました。一部のアカウントが「Burning Manでエボラ出血熱のアウトブレイクが始まった」と主張し、不安が広まりましたが、これは事実ではありませんでした。最終的には、天候は回復し、道路状況も改善されました。最終的には参加者たちは泥の中から抜け出しました。その後、会場から出る参加者たちによる大渋滞が発生し、砂漠を脱出するのに6時間かかりましたが、雨上がりに虹のアーチが現れ、参加者たちは感動の瞬間を味わうことができたようです。

現地の様子や参加者のレポートをCNNが報じていましたので、英語ですが動画だけでも過酷さが伺えますのでどーぞ。

DJとして有名なDiploもBurning Manで約3時間のDJセットを終えた後、豪雨に巻き込まれました。泥沼の中を4時間も歩き続け、ファンにヒッチハイクさせてもらった様子。彼はその脱出劇の様子を自身のSNSに投稿しています。

今回の件ではやはり人間は自然には勝てないことを痛感しました。しかしながら、そのトラブルさえも楽しむ参加者もいたことも事実。ここまでのフェスに参加するにはそれなりの覚悟が必要であることを再認識させられました。みなさんはこんな過酷なフェスでも参加したいですか?

筆者はもちろん参加したいです(笑)

今回は、Burning Manの紹介とそこでの豪雨災害についてお伝えしました。

それでは、また

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